Intoroduction

アカデミー賞監督をも魅了した 最高のサスペンス小説、奇跡の映画化アカデミー賞監督をも魅了した 最高のサスペンス小説、奇跡の映画化

少年の数奇な運命に隠された謎を解き明かす、極上の心理サスペンス少年の数奇な運命に隠された謎を解き明かす、極上の心理サスペンス

天使のように愛くるしい少年ルイ・ドラックスの人生は、まるで何かに呪われているようだった。出生からわずか8年間で生死の境をさまよう大事故を8度経験してきたルイは、9歳の誕生日に両親と一緒に海辺のピクニックに出かけ、断崖絶壁から転落するという9度目の悪夢に見舞われてしまったのだ。どうしてルイは、これほどまでに不運な星の下に生まれたのか。病院のベッドで眠り続ける彼の周囲で、奇妙な出来事が相次ぐのはなぜなのか。やがて、この小さな命を救おうと尽力する担当医パスカルは、あまりにも多くの謎をまとうルイの秘密を解き明かそうとするのだが……。

9年間で9度も死にかける少年を主人公にした衝撃的な設定、先読みをまったく許さないストーリー展開、巧妙に張り巡らされたいくつもの伏線、さらにクライマックスで明かされる驚愕の真実-。イギリス人作家リズ・ジェンセンの世界的なベストセラー小説に基づく『ルイの9番目の人生』は、人間の“心”というこの世で最もミステリアスな領域に踏み込み、観る者の胸のざわめきを誘ってやまないサスペンス映画である。

2008年に他界した『イングリッシュ・ペイシェント』のアカデミー賞監督アンソニー・ミンゲラが生前に映画化を熱望していた企画を、その遺志を継いだ息子のマックス・ミンゲラがプロデューサー兼脚本家として実現。フランスからハリウッドに進出し、ダニエル・ラドクリフ主演のダーク・ファンタジー『ホーンズ 容疑者と告白の角』などで斬新な映像感覚を発揮してきた鬼才アレクサンドル・アジャが、リアルな心理描写にめくるめく神秘的なイメージを溶け合わせ、極上のスリルとサプライズに満ちた映像世界を完成させた。

主人公の“眠れる美少年”ルイに扮するのは、何ヵ月にも及んだオーディションの末に発掘されたエイダン・ロングワース。あどけないルックスに反して、あらゆる観客を驚嘆させるであろう大人びた演技は、新たな天才子役の登場を強烈に印象づける。ルイを目覚めさせようと奮闘する医師パスカルを演じるのは、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』『フィフティ・シェイズ・ダーカー』で世界中を魅了した二枚目俳優ジェイミー・ドーナン。そしてデヴィッド・クローネンバーグ監督のミューズとして脚光を浴びた美しきカナダ人女優サラ・ガドン、TVシリーズ「ブレイキング・バッド」で絶賛を博した実力派俳優アーロン・ポールがルイの両親役で共演。謎だらけの少年の心に渦巻く深い“闇”と、そこに差し込むひとすじの“光”が鮮烈なコントラストを成すドラマを魅惑的なアンサンブルで体現している。

Story

昏睡状態のルイの周りで起きる、不可解な事件。真実を知る少年は、再び目を覚ますのか。昏睡状態のルイの周りで起きる、不可解な事件。真実を知る少年は、再び目を覚ますのか。

サンフランシスコの海辺の崖から転落したひとりの子供が、病院に救急搬送された。その少年ルイ・ドラックス(エイダン・ロングワース)は生体反応がなく、一度は死亡が確認されたが、遺体安置室で奇跡的に蘇生。しかし全身にむごたらしい大ケガを負っており、昏睡状態に陥ってしまう。著名な小児神経科医アラン・パスカル(ジェイミー・ドーナン)がルイの担当医として外部から招かれるが、この愛くるしい容姿の少年にはいくつもの謎があった。

ひどい難産の末にこの世に生を受けたルイは、奇妙なことにそれから毎年、8度にわたって生死に関わる大事故を経験していた。そして美しい母親ナタリー(サラ・ガドン)、別居中の父親ピーター(アーロン・ポール)に9歳の誕生日を祝ってもらうためのピクニックで事故現場となった渓谷を訪れ、9度目の悲劇に見舞われてしまったのだ。地元警察のダルトン刑事(モリー・パーカー)はこの事故を“事件”ではないかと疑い、現場から忽然と消え失せたピーターの行方を追っていた。

ルイの命を救うためにあらゆる手を尽くし、憔悴しきったナタリーを励ますパスカルは独自の調査に乗り出し、学校で友だちがいないルイが精神科医ペレーズ(オリヴァー・プラット)のセラピーを受けていたことを知る。ルイを襲った幾多の事故は、大酒飲みのピーターによる虐待だったのか。それともルイの自傷行為によるものなのか。やがて深まる謎の答えを見出せないパスカルは恐ろしい悪夢にうなされ、ナタリーのもとには差出人不明の警告文が届くようになり、ルイの身近な人々や関係者に次々と不可解な出来事が降りかかる。

とても偶然とは思えないそれらの現象は、悪意を持つ何者かの仕業なのか。事故や事件に巻き込まれ続けるルイは、いったい何者なのか。すべての鍵を握るルイが病院のベッドで眠り続けるなか、このミステリアスな少年の秘密を解き明かそうと苦闘するパスカルは、予想だにしなかった衝撃的な真実に迫っていくのだった……。

Caracters

Cast Profile

ジェイミー・ドーナンJamie Dornan

1982年5月1日、北アイルランド・ベルファスト出身。カルバン・クラインやクリスチャン・ディオールなどのモデルとしてのキャリアを経て、ソフィア・コッポラ監督作『マリー・アントワネット』(07)でキルスティン・ダンスト演じるマリー・アントワネットの恋人、フェルゼン伯爵を演じ映画デビュー。14年『不都合な契約』(劇場未公開)で主演を務め、世界中でベストセラーとなった官能小説の映画化『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(15)の大富豪クリスチャン・グレイ役に抜てきされブレイク。その後、61に年コンゴで包囲された150人の国連平和維持軍アイルランド部隊を描く軍隊ドラマ『ジャドヴィル包囲戦 -6日間の戦い-』(劇場未公開)や『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』の続編である『フィフティ・シェイズ・ダーカー』(17)に出演。主演最新作『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』(17)では、ナチスに立ち向かう若きスパイを熱演。

サラ・ガドンSarah Gadon

1987年4月4日、カナダ・トロント出身。98年にカナダのTVドラマ「La Femme Nikita」でデビュー。デヴィッド・クローネンバーグ監督の『危険なメソッド』(12)に出演後、同監督の『コズモポリス』(13)、『マップ・トゥ・ザ・スターズ』(14)と立て続けに出演を果たし「クローネンバーグのミューズ」と呼ばれる。また彼の息子であるブランドン・クローネンバーグの監督デビュー作『アンチヴァイラル』(13)にも出演。 『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』(16)では若き日のエリザベス女王役を演じ、日本でも幅広い層から人気を集める。その他の主な出演作は、『複製された男』(14)、『ドラキュラZERO』(14)など。 「世界で最も美しい顔ベスト100」に12~16年の5年連続ランクインするなど、今最も注目度の高い女優の一人。今後はNetflixドラマ「またの名をグレイス」(17)で主演を務める他、カナダ出身の若き天才監督グザヴィエ・ドランの最新作『The Death and Life of John F. Donovan』に出演予定。

エイダン・ロングワースAiden Longworth

2004年8月7日、カナダ・バンクーバー出身。7歳から演技を始めると、その愛すべきキャラクターとウィットに富んだ演技で映画業界ですぐに評判の子役となる。本作撮影時は10歳。主な出演作としては、アクション・アドベンチャードラマ「Timeless」「DC Legends of Tomorrow」などがある。「X-ファイル 2016」ではモルダーとスカリーの息子役を演じている。本作でカナダ出身の子役を表彰するThe Joey Awardsで優秀助演俳優賞を受賞。

オリヴァー・プラットOliver Platt

1960年1月12日、カナダ・ウィンザー出身。父親が外交官だったため、幼少期アジア諸国を中心に住まいを転々とした。一時期日本に滞在していたこともある。その後ワシントンD.C.に移り、役者を目指すようになる。大学卒業後ニューヨークに移りオフ・ブロードウェイなどでキャリアを積み、ビル・マーレイからジョナサン・デミ監督を紹介されたことがきっかけで88年『愛されちゃって、マフィア』(劇場未公開)で映画デビューを果たす。その後も数々の作品に出演し、コメディからシリアスな役柄まで演じ分ける個性派俳優としての地位を確立。TVドラマ「HUFF 〜ドクターは中年症候群」でゴールデン・グローブ賞助演男優賞(シリーズ・ミニシリーズ・テレビ映画部門)にノミネートを果たす。その他の主な出演作は『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』(15)、TVドラマ「シカゴ・メッド」(15-)など。

アーロン・ポールAaron Paul

1979年8月27日、アメリカ・アイダホ州エメット出身。高校卒業後ロサンゼルスに渡り、ハリウッドの映画館でアルバイトをしながら役者を目指す。90年代にTVドラマ「新ビバリーヒルズ高校白書」「メルローズ・プレイス」などに出演。その後も様々な映画やドラマに出演を続け、08年から出演した「ブレイキング・バッド」で大ブレイク。同作で2014年のゴールデン・グローブ賞にノミネートされたほか、10年、12年、14年のプライムタイム・エミー賞のドラマ・ミニシリーズ部門で最優秀助演男優賞を受賞。その他の主な出演作としては、『ニード・フォー・スピード』(14)、『トリプル9 裏切りのコード』(16)、『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』(16)など。

Staff Profile

監督:アレクサンドル・アジャAlexandre AjaAlexandre Aja

1978年8月7日、フランス・パリ出身。映画監督の両親を持ち、幼少期には父親の映画に端役として出演も果たしている。97年に『Over the Rainbow』で監督デビュー。本作はカンヌ国際映画祭で上映され、短編部門のパルムドールにノミネートされた。その後『ヒルズ・ハブ・アイズ』(07)で弱冠28歳にしてハリウッドデビューを果たす。その後も『ミラーズ』(08)、『ピラニア3D』(11)、『ホーンズ 容疑者と告白の角』(15)と意欲的に製作を続けると同時に、寺沢武一原作のSFアクション漫画「コブラ」のハリウッド映画化を進めている。

脚本:マックス・ミンゲラMax Minghella

1985年9月1日、イギリス・ロンドン出身。父は『イングリッシュ・ペイシェント』(97)でアカデミー賞監督賞を受賞した巨匠アンソニー・ミンゲラ。05年公開の『綴り字のシーズン』で俳優デビュー。その後『ソーシャル・ネットワーク』(11)、『アレクサンドリア』(11)、『スーパー・チューズデー ~正義を売った日~』(12)などに出演しキャリアを築く。本作にはプロデューサーとしても関わっており、自身が出演した『ホーンズ 容疑者と告白の角』(15)を手掛けたアレクサンドル・アジャに本作の監督を依頼した。

原作:リズ・ジェンセンliz Jeusen

1959年、イギリス・オックスフォードシャー出身。イギリスでもっとも権威ある文学賞の1つであるオレンジ賞(現ベイリーズ賞)に3度ノミネートされた。主な代表作は「Ark Baby」、「The Rapture」、「The Uninvited」など。

Production Notes

今は亡き名匠アンソニー・ミンゲラから息子に受け継がれた、ミステリアスなサスペンス小説の映画化の道のり

ベストセラー作家リズ・ジェンセンは『ルイの9番目の人生』の原作小説「ルイの九番目の命」を書き上げたとき、映画化は絶対に無理だと考えていた。なぜなら、この小説は昏睡状態の少年が主人公の物語だからだ。ところが幸運にも『イングリッシュ・ペイシェント』でアカデミー賞監督賞に輝いたアンソニー・ミンゲラと、その製作パートナーであるシドニー・ポラックの目に留まった。その後、ミンゲラは映画化を果たすことなく2008年に亡くなったが、ミンゲラと長年、映画製作で協力してきたティモシー・ブリックネルと、ミンゲラの息子マックス・ミンゲラが手を携えて製作会社ブランク・テープを立ち上げ、その最初のプロジェクトとしてこの小説の映画化を決断したのだ。

ジェンセンはこの物語を、彼女自身の家族にまつわる未解決ミステリーを元に着想したという。そのミステリーとは、ジェンセンの祖母が行方不明となった自らの息子を捜していて、スイスの崖から転落したというものだ。ジェンセンが語る。「私は自分の家族の中のふたりがほぼ同時に消えてしまうというミステリーに遭遇し、どうにかしてそれを解明しなければと思った。そこで私が取った解明の手段が、新たなミステリーを執筆することだったの。実話と小説を並走させることで、謎が解けるかもしれないと考えたのよ」

この小説に凄まじい衝撃を受けたマックス・ミンゲラは、小説を読み終えるとすぐに脚本の執筆に取りかかった。「ジェンセンの小説の世界観から、瞬時に映画的な印象を受けた。そして自分自身で映画化の方法を思い描くことができたんだ」。マックスの脚本を読んだジェンセンは、次のように語る。「マックスが小説の精神世界をしっかりと捉えながら、独自のアレンジを加えていることにとても驚いたわ。思わず身震いするほどの衝撃だった」

眠れる少年をめぐるスリリングなドラマを体現した才能あふれる子役と実力派俳優のキャスティング

キャスティングの最大の難問は、ルイ・ドラックスを演じられる優れた子役を捜し出すことだった。アレクサンドル・アジャ監督が語る。「ルイはとても賢い少年で、独特の話し方をし、周りの大人たちに対する物の見方も鋭い。そして、どの登場人物よりも大人なんだ」。バンクーバー生まれのエイダン・ロングワースは真っ先にオーディションに参加したうちのひとりだった。北米とイギリスから100人以上の少年がオーディションに参加し、何ヵ月にもわたる審査が行われるなか、製作陣はエイダンの演技力、率直さ、快活なキャラクター、そして科学技術に対して強い関心を持っている点に魅了されていった。

次に製作陣は、複雑な役どころのアラン・パスカル医師役として、ジェイミー・ドーナンに白羽の矢を立てた。マックス・ミンゲラが語る。「パスカル医師はストーリーを描くうえで重要な役割を果たすキャラクターだ。とてもカリスマ性があり、非常にハンサムで賢く、自らの専門分野における技術や研究で最先端を行く存在なんだ。ジェイミーの演技はすべてが特別だった。彼が適役なのは最初からわかっていたよ」。そう絶賛されたドーナンは「脚本の質の高さと、パスカル医師のキャラクターに魅せられて役を引き受けた。マックスの脚本は本当に素晴らしく、従来の心理スリラーのジャンルを超越するものだった」と出演の理由を語る。

製作陣がルイの母親ナタリー役に太鼓判をおしたのは、カナダ人女優のサラ・ガドンだった。アジャ監督が語る。「ナタリーはずっとルイのそばにいて、彼を守ろうとしてきた一方で、彼女自身もある秘密を抱えている。僕はサラがこれまで出演した映画での演技を見て、衝撃を受けた。なぜなら彼女はすべての映画でまったく異なる役どころを演じ分けており、それらはどこで演じ分けているのか判別できないものばかりだったから」。またナタリーの夫で、ルイの父親でもあるピーターを演じたアーロン・ポールは、脚本の1ページ目からこの物語に夢中になったと語る。「僕が立ち上がることさえ忘れて、脚本を読むというのは珍しいことなんだ。最高の映画になると確信し、作品に参加するのがすごく楽しみになったよ」

イマジネーションあふれるヴィジュアルを生み出したカナダ・バンクーバーのロケ地とセットのデザイン

リズ・ジェンセンの原作小説の舞台はフランスだが、マックス・ミンゲラは自身の地元に近いサンフランシスコを映画の舞台に選んだ。セットを手がけた美術監督レイチェル・オトゥールは、アレクサンドル・アジャ監督から時を超越した感覚を求められたとして、次のように語る。「アジャは現代性と古めかしさのどちらに偏りすぎることも嫌っていたわ。そのうえ彼が多くの階層と、さまざまな風合いを好んでいることは明らかだった。監督は作品の色付けやその濃厚さの度合いを少しも恐れておらず、とても多くの案を出してくれると同時に、私に多くの自由を与えてくれたわ」

主要部分の撮影はカナダのバンクーバー周辺で行われ、期間は36日間に及んだ。主な撮影現場のひとつは、リバービュー病院の100年以上前からある精神科病棟だ。ピーク時の1950年代には約5000人の患者が入院していたとされるその病棟は、2012年にほとんどの診療を取りやめ、広大なスペースが廃墟のようになっている。この病院では、本作に登場する国立病院の手術室、遺体安置室、救急処置室、培養室、待合室、廊下、そして精神科病棟のシーンの撮影が行われた。さらにペレーズ医師のオフィスや警察署のシーンの撮影も同病院で実施された。

パスカル医師の“昏睡の入り江”と呼ばれる手の込んだ病室のセットは、ブリティッシュコロンビア州バーナビーのブリッジ・スタジオに作られた。ルイが植物状態で横たわり続ける病室のデザインについて、美術監督のオトゥールは「建築家のフランク・ロイド・ライトの“人間と自然の調和”という哲学から着想を得た」という。また、ルイと両親のピクニック・シーンはホワイトクリフ公園で撮影された。眼下に海を臨む自然の岸壁があるこの素晴らしい公園は最適な場所だったが、崖の高さだけが足りなかったため、視覚効果を駆使してルイの転落シーンが映像化された。

マンガであらすじ

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